16年にわたる「女帝」の政治がもたらした負の遺産。世界が混迷を深めるなか“欧州の巨人”はどこに向かうのか? 近未来を展望する。

アフター・メルケル
「最強」の次にあるもの

定価:2,640円(税込)
発売日:2021年12月17日
ISBN:978-4-532-35909-6
並製/四六判/292ページ
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おすすめのポイント

16年にわたる「女帝」の政治がもたらした「果実」と「負債」。
世界が混迷を深めるなか、“欧州の巨人"はどこに向かうのか?
そして日本は何を学ぶのか?

リーマンショック、欧州債務危機、その後の強力な経済成長、パンデミック危機……これらの期間(同国史上最長の16年)を通じドイツを率いたアンゲラ・メルケル首相。大きな危機をたびたび「食う」ことで地盤を固めてきた「女帝」とも「鉄の女」とも称される彼女は、EUやユーロ圏の礎を築いた政治家の1人であり、世界の政治史に名を残す傑物といえる。そのメルケルがいよいよ政治の世界を去る。首相在任中にドイツは「病人」と呼ばれた状況から復活し、経済は際立った安定を実現、域内での政治的発言力ではフランスを突き放した。だが「強いにもかかわらず他者のことを考えない」姿ばかりが注目され、尊敬や信頼を勝ち得たわけではない。域内には不公平感が募り、亀裂が生じていったのだ。
では、次のリーダーはこうした亀裂を癒していけるのか? そのリーダーを決める2021年9月の総選挙は二大政党の激しい接戦となり、2021年11月、ようやく連立新政権が発足したが、その先の展望は難しい。
本書は、日本を代表するマーケット・エコノミストの1人で、欧州に対する造詣の深い筆者が、メルケル引退をEU史における1つの節目と捉え、過去を総括し、現状を整理した上で、未来を展望するもの。「欧州の病人」と呼ばれたシュレーダー政権は抜本的な改革により、次のメルケル政権にしっかりその果実を引き渡した。では、メルケル政権は次の時代に向けて何らかの果実を残せたのか。それとも残ったのは負債だったのだろうか。さらに、日本は何を学び、これからをどう考えるべきか。「メルケルなきドイツ」「メルケルなきEU」を展望し、初の離脱国を迎え岐路に立たされているEUに鋭く切り込む。

目次

  1. 第1章 【現在】メルケル時代の総括――4つの次元における整理
     1 域内:「看守」ドイツの誕生。ユーロ圏は「監獄」化
     2 域外:世界にも「友人」が乏しそう

    第2章 【現在】ドイツ一強がもたらす「歪」
     1 経済の「歪」
     2 政治の「歪」:無制限難民受け入れがもたらしたもの
     3 ドイツ国内でも広がっている格差

    第3章 【過去】「病人」は如何にして復活したか
     1 「欧州の病人」への処方箋:シュレーダー改革
     2 メルケル政権を支えた「追い風」

    第4章 【未来】アフター・メルケル時代のドイツはどこへ
     1 「メルケルの果実」か「メルケルの負債」か
     2 アフター・メルケル時代に期待されるドイツの「改心」

    第5章 【補論】日本はドイツから何を学ぶべきなのか
     1 ドイツにあって日本にないもの――6つの違い
     2 日本は何を学べるのか

    終 章 アウター・メルケル時代に思うこと

著者・監修者プロフィール

唐鎌 大輔(からかま だいすけ)

2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、JETRO入構、貿易投資白書の執筆などを務める。2006年からは日本経済研究センターへ出向し、日本経済の短期予測などを担当。その後、2007年からは欧州委員会経済金融総局(ベルギー)に出向し、年2回公表されるEU経済見通しの作成などに携わった。2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。
著書に『欧州リスク:日本化・円化・日銀化』(東洋経済新報社、2014年7月)、『ECB 欧州中央銀行:組織、戦略から銀行監督まで』(東洋経済新報社、2017年11月)、『リブラの正体 GAFAは通貨を支配するのか?』(共著、日本経済新聞出版、2019年11月)、『沈まぬユーロ――多極化時代における20年目の挑戦』(共著、文眞堂、2021年3月)。テレビ東京『モーニングサテライト』などテレビ出演のほか、ロイター、東洋経済オンライン、ダイヤモンドオンライン、Business Insider、現代ビジネス(講談社)などの連載多数。所属学会:日本EU学会。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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