京セラ、日本電産など強い企業は会計を武器にしている! 戦略を熟知した経営学者が会計学者とともに現場が自然と動く仕組みを解説
ISBN:978-4-532-32064-5
上製/四六判/368ページ
おすすめのポイント
「会計を知らずに経営はできないと喝破したのは」稲盛和夫氏ですが、経営戦略と会計の融合を目指しているはずの管理会計のテキストの多くは未だに会計の世界の流儀に縛られ、その目的を果たせていないのではないでしょうか。
本書は、通常の会計のテキストとはまったくことなる経営の視点から会計(数字)をいかに使うか、を伝える、自分の周りのさまざまなシステムを管理会計的視点で見られるようになる本です。
伊丹氏は経営戦略の大家として著名ですが、学者人生のスタートは管理会計なのです。伊丹氏が会社数字をどのようにとらえているのかは、多くのビジネスパーソンにとっても興味を引くことまちがいありません。
本書では、管理会計システムの本質として、人は測定されるとなぜ行動を変えるのかを主眼に置きます。その典型例である京セラは通常の企業の利益管理、原価管理とは異なり、付加価値ベースのユニークな管理システムを独自開発しています。その仕組みを解明するなど一般ビジネス書としても興味深い内容になっている。
多くの経営者が抱く「利益はもっとも管理会計でよく使われる業績指標だが限界があるのでは」「勘定合ってゼニ足らず、とよく言うが、キャッシュはどこまで重要なのか」「不確実なアウトプットが本質である研究開発活動を管理できるか」など、従来の会計書ではなされなかった本質的な問いかけにも答えています。
目次
- 第1章 管理会計は経営システムの要
第2章 利益とは何なのか
第3章 勘定合って、銭足らず
第4章 どの組織単位の業績を、何で測るか
第5章 原価計算がもたらす情報と歪み
第6章 事業部の利益計算はむつかしい
第7章 「ついつい」の資産増加を防ぐには?
第8章 アメーバ経営と時間当たり採算
第9章 予算管理のウソ・マコト
第10章 投資採算計算の方法と落とし穴
第11章 研究開発管理システムの「最適なゆるさ」とは?
第12章 多様な影響システム--管理会計を超えて
第13章 なぜ人は測定されると行動を変えるのか
終 章 会計を武器にする経営
著者・監修者プロフィール
国際大学学長、一橋大学名誉教授
1969年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。72年カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了・PhD。その後一橋大学商学部で教鞭をとり、85年教授。東京理科大学大学院イノベーション研究科教授を経て現在に至る。この間スタンフォード大学客員准教授等を務める。経済産業省等の審議会委員など多数歴任。2005年紫綬褒章を受賞。
※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。
成城大学経済学部准教授
2004年一橋大学商学部卒業、09年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。
名古屋商科大学専任講師を経て、12年より現職。主な論文に、“How Does theLargest Shareholder Affect Dividends?" International Review of Finance、「配当の情報効果と利益持続性、利益調整行動に関する実証分析」『経営財務研究』、「所有権理論から見た連結会計の検討」『日本企業研究のフロンティア』などがある。
※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。