がんでは死なないがん患者。老衰死って何だ。コロナ禍で死因不明社会が加速。100体以上の解剖経験を持つ病理医が明かす死因の真実。

定価:990円(税込)
発売日:2021年05月11日
ISBN:978-4-532-26454-3
並製/新書判/256ページ
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おすすめのポイント

○日本人の1年の死亡者は138万人(2019年)。その大半は病院における死であり、人の死の過程を直接見る機会は減っている。人はどのように死んでいくのか、普通の人はよくわからず、必要以上に死を怖がる人もいるだろう。

○一方、コロナの蔓延で、死因特定のための病理解剖、司法解剖が激減する傾向にある。一部で指摘されていた「死因不明社会」が現実になってきている。

○本書は、数々の病理解剖を行ってきた病理専門医が人が亡くなるまでのプロセスを解説するもの。世間の関心を集めた著名人の事例を随所に盛り込む。

目次

  1. はじめに
    日常から切り離された「死」
    「死のプロセス」を伝える意味

    第1章 死因の判定は意外に難しい
    老衰とは何か
    医者も迷う老衰
    自然死、老衰は理想の死か
    国の豊かさと死因の関係
    死因を調べる病理解剖
    歳アイドル急死の「憶測」に思う
    SNSで拡散した「流言」
    怖い「死因不明社会」
    感染対策の設備がないと解剖は危険
    非感染の証明はできない
    マスク・防護服不足も一因に

    第2章 病気と死のスペシャリスト、病理医とは?
    病理医とは病理診断をする医師
    解剖には資格がいる
    芦田愛菜さんが目指す病理医
    「病理医=研究医」ではない
    15年後の病理医とは
    妊婦の病理医がいてもいい
    遠隔病理診断が病理医の働き方を変える
    コラム 病理医になるには

    第3章 がん患者はがんでは死なない
    人はなぜ、がんで死ぬのか
    敗血症の多臓器不全で亡くなったCさん
    キロやせた元関取Dさんの死
    がんの広がりと多臓器不全
    あまりに早い逝去が教えてくれる膵臓がんの怖さ
    ピアニストFさんの闘病に学ぶ
    複数のがんにかかるのが珍しくない時代
    世界的登山家の命を奪った腹膜がんとは
    肺腺がんで亡くなる人を減らすために―Iさんの死から考える
    病理医も治療に貢献
    がんは克服できるのか
    俳優Jさんの命を奪った脳リンパ腫
    病理医として感じること
    フリーアナウンサーKさんの乳がんから考える
    30代ではまれだが
    コラム 病理診断には時間がかかる

    第4章 突然死はなぜ起きる--血管と心臓の相互作用
    「予兆」はあるか
    運転中の突然死
    人間による運転の限界
    高速道路を運転中に突然死した声優
    40代のお笑いタレント急逝から考える
    無理ができなくなる40代
    浴室での死者数は交通事故の4倍
    「レイア姫」キャリー・フィッシャーさんの死から考える
    冬場に多い心筋梗塞
    冬の心臓死を防ぐには?
    脳梗塞と急性心不全との関係
    急性心不全とは何か
    Rさんの命を奪った「虚血性心不全」
    「虚血性心不全」を防ぐには
    急な寒暖差に気をつけろ
    「寒暖差死」をどう防ぐか
    コラム 病理診断の大切なパートナー 臨床検査技師

    第5章 地上で溺れる--肺がもたらす死
    喘息と誤嚥
    なぜ高齢者の肺炎は怖いのか
    様々な病気の最後に肺炎が起きやすい
    コラム 本当につらい「ワンオペ」病理医

    第6章 感染症VS.人体--ミクロの世界で起きていること
    感染とは何か
    感染で死ぬとはどういうことか
    感染による臓器の破壊
    敗血症の怖さ
    さよなら、おばぁ―敗血症で亡くなったUさん
    敗血症になりやすい人
    最強のチャンピオンの命を奪った敗血症性ショック
    抗菌薬を無効にする耐性菌の脅威
    解剖で分かった新型コロナウイルスの作用
    日本の感染症研究の問題点
    コラム ブッシュミート(野生動物食)がエボラ出血熱を広げた

    第7章 肝腎死--「カラダのごみ屋敷化」が命を奪う
    肝臓は「人体の化学工場」 肝臓による死とは
    肝臓を壊すアルコール
    だれでもなりうるアルコール依存症
    肝臓のダメージは腎臓にも影響を及ぼす
    腎臓と血管の関係

    第8章 死を克服することはできるのか
    個体の老化
    認知症は老化を加速させる
    高齢者の転倒―Wさんの死から考える
    交通事故死より多い転倒死
    不老不死は可能か
    遺体を冷凍保存する権利を巡る裁判
    「個体の死」は逆戻りできるか
    サルコペニアとフレイル
    おわりに

著者・監修者プロフィール

榎木 英介(えのき えいすけ)

病理専門医。細胞診専門医。医学博士。1971年生まれ。95年東京大学理学部生物学科動物学専攻卒。同大学院博士課程中退後、神戸大学医学部医学科に学士編入学。04年卒。医師免許取得。06年博士(医学)。09年神戸大学医学部附属病院特定助教。兵庫県赤穂市民病院を経て近畿大学医学部で病理解剖と研究倫理を担当。2020年フリーランス病理医として独立。
著書に『博士漂流時代』(DISCOVERサイエンス、科学ジャーナリスト賞2011受賞)『嘘と絶望の生命科学』(文春新書)ほか。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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