私の中の業平がいまも変容し成長を続けている――注目作『小説伊勢物語 業平』の作家が、日本人が本来持っている「雅」の神髄に迫ります。

定価:本体850円+税
発売日:2020年10月27日
ISBN:978-4-532-26445-1
並製/新書判/192ページ
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おすすめのポイント

千百年前から伊勢物語は読み継がれ、ふるくから在原業平はプレイボーイの代名詞だった。業平の「色好み」とはいったいどういうものなのか――多くの読者を獲得している『小説伊勢物語 業平』の著者が自ら小説に紡ぐうちに浮かび上がってきた「雅」という人間力に迫る!

「英雄、色を好む」ということわざがある。現在ではセクシャルハラスメントになりかねないが、長らく続いた男尊女卑の社会では、それをよしとしてきたことを表すフレーズとも言える。英雄ではないにしても在原業平もしばしばこの文脈でプレイボーイの代名詞として人々の口の端にのぼってきた。しかし、業平の「色好み」は単に女性との性愛に執着することとは違うのではないか――見えてきたのは、現代にも通じる豊かな人間関係を構築できる能力だった。そして「雅」とはその能力に裏打ちされた人間的な余裕だとも。社会が多様性を認めることを人々に求める現代人にこそ、その優れたコミュニケーション力を、業平から学ぶところは大きい。
伊勢物語は恋愛の教科書ともしばしば言われる。つまるところ、男はいい女に育てられ、成長した男がいい女を育てる、それも思いを歌に詠むことによって。それゆえに言葉のコミュニケーション力の高さが求められる。その能力は恋愛以外の人生も豊かにするものになるだろう。

目次

  1. 平安時代の業平を理解するために

    第一章 高貴なるものの責務--ノブレス・オブリージュ

    第二章 女性からの気づき

    第三章 禁じられた恋、そして和歌を広める同志へ

    第四章 男たちとの関係

    第五章 巻き込まれた結果

著者・監修者プロフィール

髙樹 のぶ子(たかぎ のぶこ)

作家
1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨、10年「トモスイ」で川端康成文学賞。著作は多数。芥川賞をはじめ数々の文学賞の選考委員を歴任。17年、日本芸術院会員、18年、文化功労者

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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