新型コロナウイルスの大流行はグローバル化した世界をずたずたに切り裂いた。 「対岸の火事」と慢心していた欧米諸国、 隠蔽と強権、「マスク外交」の中国、 政府の危機管理と国民の忍耐力が試される日本……。 日経編集委員・WBSキャスターによる緊急報告。

定価:本体850円+税
発売日:2020年05月26日
ISBN:978-4-532-26433-8
造本1/新書判/232ページ
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おすすめのポイント

本書まえがきより
中国が、欧米が、新興国が相次いでロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。
そして日本は全国がコロナ緊急事態に。
大封鎖の結果、世界経済は1929年のウォール街の暴落に始まった、
大恐慌の時代以来のマイナス成長と大量失業に陥った。
世界各国は必死にお札を刷って得たお金を、困窮した人々や企業に配っている。
いずれも、記憶にない、見たこともない光景である。
フランスの作家カミュが『ペスト』で、英国の作家デフォーが『ペスト年代記』で描いたような世界。
だがそれは、今の現実である。
本書は一連の出来事を時系列で整理するとともに、なぜこんな大惨事が起きたのか、
どこに問題があったのかを解きほぐす。
各国・地域の出来事はいまだ進行形であるが、まずは事態の整理を。
そのうえで、コロナが変えた経済と社会の今後についても考えてみた。

目次

  1. まえがき
    第1章 武漢からアジアへ
    1月11日、中国・武漢で初の死者と発表
    5日後に日本で初の感染者が見つかる
    上海市民は「心配していません」
    WHOって何者?
    日銀総裁にコロナの影響を聞く
    戦時モードに変わった中国当局
    早くから警告していた武漢の医師が死亡
    WHOのホームページに「日本の空港」の写真
    差し替えられた写真
    橋本岳厚労副大臣のツイート

    第2章 クルーズ船からイタリアへ
    英のクルーズ船、3700人が立ち往生
    予想もつかなかった船内感染の拡大
    情報戦、SNSが舞台に
    密接に協力していた日米政府
    クルーズ船乗客も発信
    2月13日、国内初の死者
    「水際作戦」の敗北
    岩田教授、動画で告発
    高山医師が即座に反論
    韓国の宗教団体で集団感染
    イタリアへ波及、12の都市を隔離
    コロナ・ショック、世界中に拡大

    第3章 封じ込めの慢心 米国
    初動は迅速だった米国
    感染拡大に先行した米国株市場の変調
    「破滅博士」の的格な見立て
    政策期待は「徒労」と指摘
    サンフランシスコ市が非常事態宣言、ニューヨークは普段通り
    ワシントン州で初の死者とFRBの緊急コロナ利下げ
    米経済メディアのコロナ「お花畑」
    バイデン候補復活で株価は反発
    「逆石油ショック」の襲来
    デフレを織り込み始めた米国債市場
    原油のスーパーサイクルの終わり
    1日1000ドルの下げが当たり前に
    NBAもMLBもブロードウェイ・ミュージカルも延期・中止
    ナーバスになった大統領の演説
    国家非常事態を宣言、国を挙げてコロナと闘う
    医療提供者を支援し、検査を迅速に拡大

    第4章 政策総動員への転換
    延期相次ぐ米民主党予備選挙
    「欧州の理念」とコロナ封じのジレンマ
    コロナ危機が招く「新常態」
    「戦時下の大統領」となったトランプ
    「連邦政府vs.州政府」の手柄争い
    戦時立法を復活
    2兆ドル規模に膨れ上がった経済対策
    新規失業保険申請者数は記録的な数字
    政府と足並みをそろえたパウエル議長を称賛
    財政と金融の一体化、事実上の「ヘリコプターマネー」
    「最後の貸し手」から「最初の貸し手」に

    第5章 米中コロナ冷戦と日本
    ユーラシア・グループ、2020年の10大リスクを改訂
    当初は米中で「エール交換」
    孤立感深まった中国
    ウイルス流出説の疑心暗鬼
    中国は「アジアの病人」なのか
    中国と密接になっていた国が感染ルートに
    入国禁止措置に後れをとった日本
    背景にあった訪日客需要と習近平来日
    「開かれた社会」か「統制された社会」か
    米中対立の火に油を注いだ「米軍持ち込み説」
    ペルーのノーベル賞作家、中国の「隠蔽」を批判
    中国による「マスク外交」
    「一帯一路」と「健康のシルクロード」
    マスクを買い占めていた中国政府

    第6章 コロナ緊急事態の日本
    北海道から始まった緊急事態宣言
    クラスター対策に重点
    危機感強めていた大阪府知事と市長
    西浦教授、解禁ムードに警鐘
    自粛呼びかけをよそに花見に繰り出す人々
    日本では「都市封鎖」は行わない、と念押し
    コロナ感染とともに凄まじかった「コロナ情報」の伝達速度
    「8割接触減」をどう達成するか
    在宅勤務に対応できない中小企業
    東京都、施設・店舗に休業要請
    一律10万円の現金給付の力学
    近づく資金繰り危機
    資本の増強策を急げ

    エピローグ 21世紀の新たな「30年代」
    1月末時点で警鐘を鳴らしていた元経産官僚
    1929年の大恐慌以来の大不況到来か
    IMFの3つのリスクシナリオ
    財政引き締めを急ぎ過ぎるな
    人種によって2倍の差がある米国の死亡者数
    食料輸出の規制を始めた国も
    中国への過度の依存見直しを
    円高のトラウマと人手不足
    経済の広範なデジタル化に拍車
    コロナとの闘いの時間軸

著者・監修者プロフィール

滝田 洋一(たきた よういち)

日本経済新聞編集委員。ワールドビジネスサテライト(テレビ東京系列)解説キャスター。
81年慶応義塾大学大学院修士課程修了(法学研究科)。同年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ支局、経済部編集委員、論説副委員長、米州総局編集委員などを経て現職。2008年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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