曹彬、王安石ら宋の名臣たちの功績を集めた「宋名臣言行録」は、「貞観政要」と双璧の二大帝王学の名著。部下をいかに率いたらよいか、清廉潔白の士である秘訣など、現代ビジネス人にも通じる処世訓を読みとる。
ISBN:978-4-532-19475-8
並製/A6判/240ページ
おすすめのポイント
曹彬、王安石ら宋の名臣たちの功績を集めた「宋名臣言行録」は、「貞観政要」と双璧の二大帝王学の名著。部下をいかに率いたらよいか、清廉潔白の士である秘訣など、現代ビジネス人にも通じる処世訓を読みとる。
リーダーの指導力が問われる今、経営者・管理者の要諦を説いた本書は、現代のビジネス人に多くの示唆を与える一冊。企業組織にも詳しい中国古典研究家・守屋淳氏の解説も収録。
目次
- はじめに
プロローグ――いま、なぜ『宋名臣言行録』なのか
1 宋の創業時代
五代十国から宋へ
恒久的平和への模索
富貴を好む風潮
謀慮深長な趙晋
人を見る眼
冷静に筋を通す
創業の時代における人材
平和裡の吸収合併による天下統一
清慎廉挌な曹彬
江南への出兵
「喜怒を以って人を戮せず」
官僚制国家を完成させた太宗
科挙制度の確立
2 守成へと進む
制度整備と人事が肝要
「寛猛中を得る」べし
「無為自然流」の人事
大事を糊塗しない呂端
「直言の人」寇準
契丹侵攻の危機
結ばれた「?淵の盟」
「守成の名臣」李
3 守成から最盛期へ
指導力に欠けていた真宗
戦時の人材 平時の人材
大きい平和の代償
「臣を知るは、君に若くはなし」
黄金時代を築いた仁宗
志は飽衣暖食にあらず
侵入してきた契丹と外交交渉
君主の損 臣下の得
成功した富弼の外交策
リーダーたる者の責任
官僚制の宿命
改革派と保守情実派の争い
官とならば清畏であれ
派閥の功罪
「先例」主義の打破
保守的改革派・文彦博の施策
保守的な政治倫理と革新的な思想
4 衰亡のきざし
科挙の弊害
欧陽脩の『明党論』
民を治むるは病を治むるが如し
わずか四年の英宗
神宗と王安石の登場
蘇洵の王安石批判
「人情に近からざる者」
5 王安石とその改革
参政として政治の中枢へ
風俗を変じ、法度を立つべし
改革の着眼点と新法
地方の実情を知らない「秀才」たち
官僚の形式主義と腐敗
法律や命令を無視する民衆
性急すぎた改革の実施
新法党と旧法党の対立
紛々として変じ易し 浮雲の白
6 司馬光と旧法への復帰
「足が地についた人」司馬光
年十五にして、書、通ぜる所無し
司馬光の鋭い人物評
北から南へ移った経済の中心
祖宗の法、変ず可からざるなり
新・旧折衷派を目指す神宗
民自ら相を択ぶ
エピローグ――宋の滅亡へ
異彩を放った蘇軾
政争を鎮める融和策
旧法党一掃の「紹聖の変」
大帝国・宋の滅亡
(資料)年表・地図
解説 守屋洋
著者・監修者プロフィール
評論家。1921年東京生まれ。青山学院高等商業学部卒業。陸軍少尉としてルソン島で終戦を迎え、捕虜収容所生活を経て帰国。58年山本書店を創業し、聖学書の出版を手がけるかたわら、評論家としても活躍した。81年菊地寛賞を受賞。91年逝去。著書に『帝王学』『「孫子」の読み方』『論語の読み方』『私の中の日本軍』『日本人とユダヤ人』などがある。
※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。