17歳で留学した冷戦下のソ連、この時代がなければ今の私はなかった。日本を代表するソリストがその数奇な運命と自らの音楽について綴る。

ヴァイオリニストの第五楽章

定価:本体2,000円+税
発売日:2020年11月23日
ISBN:978-4-532-17690-7
上製/四六判/244ページ
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おすすめのポイント

デビューから半世紀以上、日本を代表する国際的バイオリニストとして今も演奏活動を続ける前橋汀子さんが数奇な運命を経た自身の音楽家人生を回顧し、現在地を見つめる。
その半生は戦後日本に欧米と遜色のないクラシック音楽が定着していった時代の記録として貴重だ。ロシア革命の混乱期に来日した帝政ロシア貴族出身の小野アンナに5歳で師事し、斎藤秀雄から直接手ほどきを受けた最後の世代。冷戦下にロシア語を学び、レニングラード音楽院が共産圏以外から初めて留学生を招くことになった第一号となり、「ロシアの魂」を肌で感じる体験をその後の自身の音楽の根本に据える。
その後は、戦後のクラシック音楽をリードしたNYのジュリア-ド音楽院に学び、スイスのヨーゼフ・シゲティのもとで研鑽をつんで国際的に活躍。ニューヨークのカーネギーホールデビューはストコフスキー指揮のアメリカ交響楽団で1970年。ケンペ指揮のロイヤル・フィル管弦楽団の米国ツアーに同行、メータ指揮のイスラエルフィルでミルシテインの代役を務め、その後もベルリン・フィル、ハンブルク交響楽団、フランクフルト放送管弦楽団、バイエルン交響楽団、ロンドン・フィル、フランス国立管弦楽団、クリーブランド管弦楽団、レニングラード・フィルなどにソリストとして参加。共演者はサバリシュ、エシェンバッハ、マゼール、小澤征爾と錚々たる顔ぶれだ……コロナ禍で一時中断していたコンサートを秋から再開させる。
本書の第二部では、演奏家としての楽曲の思い出を綴り、第三部で人生最大のミステリーと語るロシア留学について、その時代背景と意味をロシア文学者の亀山郁夫さんと語り合う。どちらもクラシック音楽ファン必読の内容です。

目次

  1. Ⅰ 私の履歴書

    Ⅱ 愛すべき楽曲とともに

    Ⅲ ソビエト・ロシア経験と人生最大のミステリー
    対談・亀山郁夫(ロシア文学者)

著者・監修者プロフィール

前橋 汀子(まえはし ていこ)

バイオリニスト
1943年東京生まれ。5歳から白系ロシア人音楽教師の小野アンナに師事。中学から桐朋学園「子供のための音楽教室」で斎藤秀雄に師事。61年、桐朋女子高校を中退しレニングラード音楽院に留学。66年、NYのジュリアード音楽院に留学、ドロシー・ディレイに師事。その後、スイスでヨゼフ・シゲティとナタン・ミルシテインに学び、現在までソリストとして世界的に活躍。2004年日本芸術院賞。11年紫綬褒章、17年旭日小綬章。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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