国家的危機を突破した国家の特徴とは何か。近現代における7カ国の危機を事例に、来たるべき次の転換点を超越する人類の叡智を解く。
おすすめのポイント
『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ大絶賛!
「国家がいかに危機を乗り越えたか? 明快な筆致に引き込まれる。本書は、地球規模の危機に直面する全人類を救うかもしれない」
遠くない過去の人類史から
何を学び、どう将来の危機に備えるか?
ペリー来航で開国を迫られた日本、ソ連に侵攻されたフィンランド、軍事クーデターとピノチェトの独裁政権に苦しんだチリ、クーデター失敗と大量虐殺を経験したインドネシア、東西分断とナチスの負の遺産に向き合ったドイツ、白豪主義の放棄とナショナル・アイデンティティの危機に直面したオーストラリア、そして現在進行中の危機に直面するアメリカと日本・・・。
国家的危機に直面した各国国民は、いかにして変革を選び取り、繁栄への道を進むことができたのか『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』『昨日までの世界』で知られるジャレド・ダイアモンド博士が、世界7カ国の事例から、次の劇的変化を乗り越えるための叡智を解き明かす!
編集者より
2013年に『昨日までの世界』の日本語版刊行記念で来日したジャレド・ダイアモンド先生に、次回作について質問したことがありました。
すると先生は、「7年後の予定」と前置きしながら、次のように説明してくれました。
「次回は『変化』を題材にした本を書くんだよ。日本についてたくさん書くつもりだ。とくに明治維新だね。変化を題材にした本ではとても重要だよ。日本の明治維新では、社会のある部分を残し、またある部分は変えるという選択を大規模に意識的に行った。非常に貴重な例だ」
そして6年後の今年(予定よりも1年早い!)、最新作『危機と人類』が発売されました。ダイアモンド先生の計画通り、日本についてはたくさん書かれています。なんといっても7つの国を取り上げているのに、日本については2章を割いているのです。(11章のうち2章も日本に割り当てています!)
なぜか? それは明治維新が近現代史で他に例をみないほど上手く、選択的変化を行ったからです。もう1つは、現代日本で起きている問題が、明治日本と肩を並べるものだということです。
かつて明治期に突き付けられたような難問を成功裏に解決した明快な思考を発揮して、現代日本は問題を解決し、さらに強国になれるでしょうか? 世界と日本を襲う危機を乗り越えるための叡智を人類の歴史から解き明かします。
(2019.10.23)
目次
- プロローグ ココナッツグローブ大火が残したもの
第1部 個人
第1章 個人的危機
第2部 国家――明らかになった危機
第2章 フィンランドの対ソ戦争
第3章 近代日本の起源
第4章 すべてのチリ人のためのチリ
第5章 インドネシア、新しい国の誕生
『危機と人類』の下巻はこちら
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著者・監修者プロフィール
カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学教授
1937年ボストン生まれ。ハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修めるが、やがてその研究領域は進化生物学、鳥類学、人類生態学へと発展していく。カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学教授を経て、同校地理学教授。アメリカ科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、アメリカ哲学協会会員。アメリカ国家科学賞、タイラー賞、コスモス賞、ピュリツァー賞など受賞多数。
※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。
翻訳家。
東京生まれ。慶應義塾大学文学部英文学科卒業。小説からノンフィクションまで幅広いジャンルで活躍。
※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業後、出版社勤務を経て、シカゴ大学大学院人文学科修士課程修了。フリーランスで翻訳・編集の仕事に携わる。
※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。