人口減少による市場縮小、経済のデジタル化--。新しい課題に直面する競争政策はどう変わるべきかを、オリジナルの分析に基づいて解説。

競争政策の経済学
人口減少・デジタル化・産業政策

大橋弘
定価:2,750円(税込)
発売日:2021年04月16日
ISBN:978-4-532-13513-3
上製/四六判/344ページ
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おすすめのポイント

第64回 日経・経済図書文化賞受賞


●経済学の活用はこれからが本番
市場メカニズムを活用し、競争を促進し、最適な資源配分を行う政策が競争政策ですが、先駆者である米国において競争政策に経済学が活かされるようになってまた半世紀しかたっていません。ひるがえって日本においても、競争政策で法学と経済学とが協力することの重要性は30年以上前から認識されていたものの、独禁法の実務における経済学の活用は未だに黎明期を脱し切れていないのが実情です。
それに加えて、日本はさらなる変化に直面しています。1国内における長期的な人口減少による市場縮小、2サイバー空間における経済活動の進展、の2つの課題に直面し、従来の競争政策の発想の転換が必要となっています。
この2つの課題は、競争判断のあり方に新たな課題を突きつけています。従来は、シェアなど市場画定を通じて実質的な競争が制限されているかを判断してきましたが、この2つの課題においては、市場画定の重要度が相対的に減じ、経済学的な観点からの競争への効果をより真剣に分析する必要が出てきています。九州における地銀の経営統合が紆余曲折の上に認可された背景にも、そのような政策転換のジレンマがあるのです。
本書では、そうした問題意識に立ち、日本における競争政策のあるべき姿を経済学の立場から論じます。基本的な考えから、デジタル財、企業合併など最新のトピックスまで網羅し、日本における経済学の位置づけについても批判的に振り返ります。
●ミクロ経済学のエースによる初の単著
電力、ネットワーク産業、鉄鋼業、農業など多岐にわたる産業研究を行ってきた成果を背景に、競争政策と経済学の関係について解説する筆者初の単著です。書評でも大きく取り上げられる可能性が高い本です。

目次

  1. 序章 転換点を迎える競争政策
     第Ⅰ部 市場支配力と産業組織論
    第1章 競争政策と産業組織論

    第2章 経済の「寡占」化と競争政策のアプローチ

     第II部  競争政策が注目する産業分野
    第3章 公共調達における競争政策

    第4章 携帯電話市場における競争政策――アンバンドリングの効果

    第5章 電力市場における競争政策――システム改革の評価

    補 論 地球温暖化対策における競争政策の視点――再生エネ政策からの学び

     第III部  人口減少時代における競争政策
    第6章 人口減少局面に求められる企業合併の視点

    第7章 競争政策と産業政策の新たな関係

     第IV部  デジタル市場における競争政策
    第8章 デジタルカルテルと競争政策

    第9章 デジタル・プラットフォームと共同規制

    終 章 ポストコロナ時代に求められる競争政策の視点

著者・監修者プロフィール

大橋 弘(おおはし ひろし)

東京大学大学院経済学研究科教授、東京大学公共政策大学院副院長教授
経済産業研究所ファカルティ・フェロー、公正取引員会競争政策センター主任研究官
第3回 円城寺次郎記念賞(日本経済新聞社、2012年)
1993年東京大学経済学部経済学科卒業、95年東京大学大学院経済学研究科修士号取得、2000年ノースウェスタン大学PhD取得、同年ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)経営・商学部助教授、03年東京大学大学院経済学研究科助教授、07年同准教授、12年同教授、18年より現職。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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