計量分析で定評のある著者が、企業・家計両面の総合的な分析により、日本経済低迷の根本要因を解明、停滞脱却への道筋を提示する。

日本経済の長期停滞
実証分析が明らかにするメカニズム

定価:本体4,500円+税
発売日:2020年11月23日
ISBN:978-4-532-13510-2
上製/A5判/320ページ
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おすすめのポイント

○バブル崩壊後の日本経済について精力的に研究を積み重ねてきた実証分析で定評のある著者が、アベノミクスの下でも低空飛行を続け、コロナショックにより一層深刻度を増す日本経済の長期停滞のメカニズムを徹底分析します。需給両面の分析を通じて停滞の根本要因が消費低迷にあることを明らかにし、成長軌道を取り戻すためには消費を抑え込んでいる将来不安の解消、信頼できる社会保障制度の構築、非正規雇用抑制・正規雇用拡大への政策が重要であることを説きます。

○これまでも日本経済の長期停滞についてはさまざまに議論されてきましたが、分析の多くが供給再度=企業行動の解明にとどまり、需要サイド=家計消費に関する本格的な分析は少ないまま。本書は両サイドの分析を行い、なぜ、アベノミクスが期待されるような効果を発揮しなかったのか、どこに政策面での課題があるのかを明らかにします。

○著者によれば、「失われた20年」の脱却に大きく貢献したのは、企業によるリストラ活動で、正規雇用から非正規雇用への代替は、賃金の抑制、収益改善につながり、それが生産性の向上と相まって日本企業の国際競争力を高め、輸出の伸長をもたらしました。しかし、売り上げ増加につながる需要の伸びは大きくなく、設備投資は低迷したままに終始しています。投資の低迷は日本経済に対する企業の悲観的な長期見通しに起因します。その最大の要因が消費の伸び悩みです。

○そして、現役世代が消費を抑制し貯蓄を増加させている最大の要因は、社会保険料負担の大きさによる社会保障制度への不安感、不安定な雇用による将来への不安感であることを明らかにします。定量分析から導き出される政策的含意は、人々が信頼できる安定した社会保障制度を構築や雇用形態の変革です。それが不確実性を抑え、消費の安定した成長、そして企業の長期見通しの改善につながり、設備投資を増加させ日本経済の成長率を高める好循環をもたらす、と展望しています。

目次

  1.  第Ⅰ部 日本経済の供給サイドはどう変わったのか
    第1章 企業行動の概観

    第2章 「失われた10年」からの脱却

    第3章 設備投資はなぜ収益性に反応しないのか

    第4章 経済成長の長期見通しと企業行動

    第5章 企業による経済見通しの決定

     第Ⅱ部 日本経済の需要サイドはどう変わったのか
    第6章 家計の意識と消費行動

    第7章 『家計調査』からみた家計行動

    第8章 家計は公的年金制度をどうとらえているのか

    第9章 公的年金制度と家計の貯蓄行動

    終 章 日本経済の閉塞感の払拭に向けて

著者・監修者プロフィール

小川 一夫(おがわ かずお)

関西外国語大学教授
1954年生まれ。神戸大学経済学部卒業。米ペンシルベニア大学Ph.D.取得。神戸大学経済学部助教授、大阪大学社会経済研究所教授を経て2017年より現職。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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