お金を生み出す人間関係

投資よりも大切な「お金の考え方」:第7回(最終回)

臼井由妃(著述家、講演家、熱海市観光宣伝大使)

画像提供:PIXTA

 お金を増やそうと、投資をはじめる方も多いと思います。しかし、投資をする前に、まず「お金の考え方」を見直してみては、とベストセラー『やりたいことを全部やる!時間術』の著者、臼井由妃さんは話します。本連載では、その「考え方」について、多額の負債を抱えていた会社を年商23億円の優良企業へと立て直された経歴をお持ちの、臼井由妃さんのお話をお届けします。

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転職、独立で成功する人たちの共通項

 お金を生み出すためには、どうしたらよいのか? まず考えるのが、給与やギャランティーを増やすために、良い条件の仕事を選んだり、より多くの仕事をこなしたりすること。そのために、転職や独立を視野に入れる方もいらっしゃるでしょう。給与所得者の場合、会社に多大な貢献をしても一気に収入が増えることはまず考えられませんから、「もっと自分は評価されるべき」と考え、そうした道を選ぶのも理解できます。

 私はこれまで、待遇に納得がいかずに転職や独立をした方を121名みてきました。その中で成功したのは、転職する前から「人づきあいの達人」と言われるなど周囲の評価も高く、有名なヘッドハンティング会社からスカウトされた11名。そして、社員時代から独立を見据えてビジネススキルとヒューマンスキルを磨き、社外の人間関係を構築してきた15名、計26名の方々です。

 誰もが知る大手商社に勤めるFさん(38歳)には、「好条件」でヘッドハンティングの話が舞い込みましたが、全く視野にありません。
「今は会社に貢献する仕事をしながら、人間関係を構築する時」
「目先の利益に釣られ転職するなんてリスキー」
「私が会社を離れる時は、需要がある商品やサービスが明確になり、互いに役立て合う確固たる知恵袋が10名揃ってから」
 将来を見据えて、今は何をすべき時なのか、ビジョンが明確だと思いませんか?

まずは自己投資から

 転職や独立成功の切符を手に入れるのは、自分の土台を磨き人間関係に投資してきた人。そこを読み間違えると、転職するたびに条件が悪くなってしまったり、独立起業してもすぐに破綻してしまったりなど、残念な結果が待っています。もちろん株や投資信託などの金融商品を活用するのもお金を生み出す術ですが、リスクはつきもの。ですから、お金を生み出す人になりたいと考えるならば、まずは自己投資と人間関係への投資に目を向けるべきです。

 読書、映画鑑賞、資格取得の勉強、見聞を広めるための海外旅行などは、教養を高め、人間としての器を大きくします。仕事で必要なスキルを身につけるために、セミナーや講習会に出かけるのもよいでしょう。自己投資をすれば、人の話をより深く理解でき、仕事を効率よく進められるようになるでしょう。自己投資は、お金持ちへの第一歩。

運も縁もお金も、人が運んでくる

 自己投資で自分の土台ができはじめたら、次に「人間関係」に投資をしてみましょう。運も縁もお金も、人が運んできます。人間関係が円滑になれば、仕事のチャンスを得たり、出会いの連鎖が生まれて思いもかけないような仕事に巡り合えたりします。私の友人のほとんどは、友人からの紹介でつながった方々です。良い人間関係を築くと、新しい人と出会え、その方からさらに新しい人へと出会いの輪が無限に広がっていくのです。

 私の周りのお金に恵まれている人に共通するのは、人間関係に「投資する」という発想です。彼らは、何をおいても人間関係にお金を使います。人との出会いは「無形の資産」。すぐに恩恵をもたらしてくれるものでなくても、必ずどこかでつながり、仕事や人生に良い影響を与えてくれます。

 お金に恵まれている人はそこを理解していますから、忙しくても貴重な時間を割き、「興味のある人」や「話題の人物」「活動するフィールドが違う人」「価値観が違うと思われる人」など、あえて立場や年代などが異なる人とも、頻繁に会います。私は、人づきあいが嫌いとか、人づきあいは面倒というお金持ちを知りません。積極的に人に会う方ばかりです。私は、将来を見据えて、好奇心のアンテナがキャッチした人には、10分しか面談の時間が取れなくても飛行機を使ってでも駆けつけますし、何時間もかけて会いに行きます。そこに費やすコストは、時には高額になりますが、お金よりも人と会うことを大切にしています。

ちょっとした気遣い

 その際、「ちょっとしたプレゼント」を渡すのも、人間関係を豊かにするコツだと思います。私もそうした機会のために、「ちょっとしたプレゼント」を常に準備しています。たとえば、おしゃれなノートやメモ帳、好みに合わせたワインや銘菓、女性には小さ目のフラワーアレンジメントや入浴剤など。相手の負担にならない程度のプライスで、使い切ったり食べたり飲んだり眺めたり、ある程度の時間でなくなる「消えモノ」がよいでしょう。邪魔にならず印象に残ります。

 誕生日や記念日ではなく、普通の時に渡すことに価値があります。もちろん、プレゼントにかけた金額の大きさは、自分から触れないのが「マナー」です。「奮発した」という自慢が相手に伝わると、プレゼントした側の品格が疑われかねません。それとわかるような「ブランド物」をプレゼントすることは、避けるのが賢明です。

 連載「投資よりも大切な『お金の考え方』」は、今回が最終回です。本連載が、少しでもあなたのお役に立つことができたならば、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。ご愛読、ありがとうございました。

臼井由妃

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