「お金が貯まらない人」に共通する習慣

投資よりも大切な「お金の考え方」:第3回

臼井由妃(著述家、講演家、熱海市観光宣伝大使)

 お金を増やそうと、投資をはじめる方も多いと思います。しかし、投資をする前に、まず「お金の考え方」を見直してみては、とベストセラー『やりたいことを全部やる!時間術』の著者、臼井由妃さんは話します。本連載では、その「考え方」について、多額の負債を抱えていた会社を年商23億円の優良企業へと立て直された経歴をお持ちの、臼井由妃さんのお話をお届けします。

前の記事次の記事→

「お金が貯まらない人」の習慣

 稼ぐ、投資をしてお金を増やすなどで「貯める」ことを考えるよりも、まず見直してほしいのが、ご自身のお金周りの「習慣」や「消費行動」です。人には、誰しも固有の「習慣」や「消費行動」があります。
・パートナー任せで、1カ月の生活費がどれだけかかっているのかを理解していない
・今お財布の中にいくら入っているのかがわからない
・預貯金や住宅ローンの残債がどれだけあるのか、ざっくりしか把握できていない
・住宅ローンや定期預金の金利を忘れてしまった
 このように数字に弱いのは、「お金が貯まらない人」の共通点です。

 「私は数字に強い。何と言っても、仕事で会計数字を頭に入れているのだから」……そんなふうに考える方もいらっしゃると思います。しかし仕事の数字と、家計の数字は別物。仕事で数字を頭に入れている方であっても、家計のこととなると、パートナー任せだったり、ざっくり家計だったり、意外なほど、数字に弱い方が多いのです。

 私の友人Tさんは、奥様が交通事故に遭われ2カ月の入院を余儀なくされ、自分で家計をやりくりしなければならない状況になりました。毎月公共料金がどれだけかかっているのか、子供の英会話やピアノ教室の月謝がいくらなのか、家族の健康を考えて妻が取り寄せている有機栽培の野菜に毎月いくら支払われているのか、……結婚以来初めて、支払っている金額を知りました。

 振り返れば、「エアコンの設定温度は27℃よ」とか「使わない部屋の電気は消してね」などと言う奥様に、「何て細かいことを言うんだ、好きにさせてくれ」と煙たがっていたそうです。そのような自分、家計を理解していなかった自分を恥じたといいます。思い当たる節がある方も、いらっしゃるかもしれません。

「節約」がかえって、「お金が貯まらない状況」をつくる

 こうした経験を機に、家計に関心を持つようになればよいのですが、厄介なのは「節約をしているのに、お金が貯まらない」という人です。逆に言えばその「節約」が、「お金が貯まらない状況」をつくっていると言えます。

 実は、かつての私もこのタイプ。「しっかり稼ぎ、きっちりやりくりをしているはずなのに、お金が貯まらない」という状態でした。私はこれまで7万人余りのビジネスパーソンやワーキングママさんに、著作や講演、セミナーや勉強会、コンサルタントなどの仕事で関わってきました。「お金が貯まらない状況」をつくっている方の多くは、過去の私のようなタイプでした。

 彼ら、彼女らが一様に口にするのは、「こんなに節約しているのに、何でお金が貯まらないの?」「パートナーもしっかりした金銭感覚を持っているのに、なぜいつもお金がないのか?」……やりくりは厳しく管理しているのに、なぜお金が貯まらないのかという疑問です。実は彼らは、家計管理で「3つの間違い」を犯していることに、気づいていないのです。

家計管理の3つの間違い

間違い1 家計管理に厳しすぎる
・おいしいものはダメ
・趣味やおしゃれなんてとんでもない
・お金を節約するために、人づきあいは極力避ける
・手間や労力はかけても、お金は使わない
 など、家計管理に厳しすぎるのは問題です。過度な厳しさを家計に課してしまうと、耐え切れずに、その反動で衝動買いに走ったり、仕事のチャンスや大切な人とのご縁を失ったりすることになりかねません。最悪なのは、支払うべきお金も催促されるまで払わない人。こうなると、お金の流れを止めてしまうので、自分へお金が回ってくること自体、遠のきます。私は経験則から、お金や運は還流するものだと考えています。

間違い2 細かいことにこだわる節約をしている
 1円でも安いものを買おうと躍起になる。収支が計画通りにいかないと、自分やパートナーを責める。こういった細かいことに血道をあげる節約は、長続きしないだけでなく、心理的な面で生活が貧しくなります。

間違い3 苦しい節約を強いている
 モノを買わない人、お金を払わずに済ませようとする人。極端な話ですが、もらう、たかるなど、「節約街道まっしぐら的な生き方」をすれば、本人が心苦しいだけでなく、「貧乏臭い人」と周囲から敬遠されてしまいます。こうした家計管理には、限界があります。

 私は、厳しく・細かく・苦しい、それぞれの頭文字をとって「我慢の3K」と呼んでいます。「我慢の3K」に耐えきれず、不満が爆発して、「節約」と「衝動買い」を繰り返す「節約リバウンド」を起こす人もいます。「我慢の3K」を強いると、「お金が貯まらない状況」を自らつくってしまうのです。

お金は「貯める」ものではなく「貯まる」もの

 例えば、昇給や昇進が見込めないような、家計が厳しい状況では、無駄をなくし支出を抑える「節約」は大切なことです。しかし、節約を続けていると前記のように貧しくなることもあるのです。運も縁も、人が運んでくるもの。間違った節約で、人づきあいを大事にしないと、お金との縁は遠くなります。仕事のチャンスや価値ある人との出会いも失います。

 「節約」をするならば、ゆとりすら感じられる、「究極の節約」であることが求められます。私自身、数多くの失敗をしながら行き着いたのが、「健康になる・環境に優しい・工夫をする」を備えた、賢くお金を使う「倹約」。私はそれぞれの頭文字をとって「心地良い3K」と呼んでいます。「心地良い3K」を実践すれば、お金は自然と貯まります。お金は「貯める」ものではなく「貯まる」ものなのです。

 景気がゆるやかに良くなっていると言う人もいますが、その実感を得ている方ばかりではないでしょう。平成から令和に時代は変わっても、家計のやりくりに変わらず頭を悩ませている人は多いもの。だからこそ、考えてほしいのです。間違った節約を続けていると、貧しくなることもあると。


 次回は、「「チリツモ」でお金を減らさない! メインバンクは賢く選ぶ」です。お楽しみに!


関連記事