「お金のゴールデン・バランス」は、メモから生まれる

投資よりも大切な「お金の考え方」:第2回

臼井由妃(著述家、講演家、熱海市観光宣伝大使)

 お金を増やそうと、投資をはじめる方も多いと思います。しかし、投資をする前に、まず「お金の考え方」を見直してみてはと、ベストセラー『やりたいことを全部やる!時間術』の著者、臼井由妃さんは話します。本連載では、その「考え方」について、多額の負債を抱えていた会社を年商23億円の優良企業へと立て直された経歴をお持ちの、臼井由妃さんのお話をお届けします。

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お金を貯めるよりまず先に、考えるべきこと

 あなたがお金を支払うのは、どういったシチュエーションでしょうか? 「欲しいものを買いたいから」「必要なサービスだから」「生きていくうえで仕方がないから」「払いたくないけど急かされたから」「何となく」……いろいろなシチュエーションがあるでしょう。

 「そんなこと考えたこともない」と返答する人のほうが多いかもしれません。でも、お金を支払うシチュエーションでは、次の5つをしっかり理解していることが大切です。

1 何のために(夢や目標を意識する)
2 誰のために(お客様や家族などをイメージする)
3 いつまでに(期限や納期を確認する)
4 どんな方法で(手段やプロセスを考慮する)
5 どんな効果をあなたにもたらすのか

 5の「効果」とは、資産の形成や人脈の構築、ポストの獲得や資格取得などビジネスに関するものに限らず、最終的に「生きがいや心地よい環境」を得るなど、心理的な効果であってもOKです。いずれにしても、そうした効果を得るには原資が必要。そのためには、「無意識に使っているお金」=使途不明金を減らし、意識して使うお金を増やすことが絶対条件です。

消費? 投資? 浪費?

 そこで活きてくるのが「ムダな出費をなくすためのメモ」です。高級ブランドのバッグや洋服、宝飾品に目がない、浪費家だった私を変身させたメモ……13年ほど前から続けています。それは手のひらサイズのメモ帳で、1ページ目には「消費? 投資? 浪費?」と書いてあり、お金を支払うシチュエーションでそっと広げ、このお金は3つのどれに該当するかを考えます。

 欲しいから購入するという“感情に任せた場当たり的な”お金の使い方ではなく、「必要だろうか?」「無理やり必要性を主張していないか?」と、ひと呼吸おいて確認するのが、このメモの役割です。「これは消費なのか、投資なのか、浪費なのか……」と、「メモ」に目をやる。たったそれだけのことで、私の浪費グセもムダ遣いも劇的に減りました。

 衣食住に関わる、生きていくために必要なものを購入する「消費」であっても、
・買い方に偏りがないか? (量や質の確認)
・適切な手段を選んでいるのか? (送料や軽減税率の考慮)
・適正な価格で購入しているのか? (底値や旬の意識)
 を考えましょう。

 書籍の購入やセミナー受講、積み立て預貯金加入など、自己実現のための出費は投資といえますが、投資の割合が消費のなかで突出していたら、次のことを検証したほうがよいかもしれません。
・自分磨きを理由にムダ遣いをしていないか?
・自己実現に役立つからと、読まずに積んでいるだけの書籍や手に入れただけで一向に始めない通販教材などないか?
「ムダな出費をなくすためのメモ」を活用して、快適な暮らしと節約のバランスを考えてほしいのです。

振り返って、結果を検証する

 あなたにおススメしたいのは、ここ3カ月の出費を振り返り、「消費・投資・浪費」の3要素に分類してみること。そこにあるのが、今現在のあなたのリアルなお金の使い方です。ムダが見えてくる方が、多いのではないでしょうか。

 趣味や嗜好品の購入など、浪費はしないに越したことはありませんが、ゼロでは生活に潤いがなくなります。ですから、「毎月3万円は浪費をしてもいい」「適度な浪費は仕事への原動力にもなる」……そんな風に捉えメモに書き、消費・投資・浪費のバランスをはかる基礎にするのもよいでしょう。

 「ムダな出費をなくすためのメモ」の2ページからは、消費か投資か浪費かを迷いながら使ったケースを、たとえば次のように記入していきます。
「11月1日から6回、話し方講座5万円。これは自己投資。浪費にはしない」
「友人に誘われての異業種交流会、1万円。適正価格とは思えないし、人脈の構築にもならなかった。失敗。浪費、次は断る!」
 後で振り返り、結果はどうなのか?をしっかり検証していきましょう。これだけで、ムダなお金や使途不明金がぐんと減っていきます。

 こうした段階をふまず無意識に使うお金は、「死に金」。一方、夢や目標に役立つ原資が「生き金」。何も考えずに使うとムダ遣いになりかねませんから、たとえば預貯金や資産運用、勉強やブレーンとの交流などのように、自分の夢や目標に役立つ原資「生き金」にあてるようにしましょう。

お金遣いの「ゴールデン・バランス」

 私は著者として経営コンサルタントとして、130名ほどのビジネスパーソンにお金の使い方についてインタビューしてきました。夢や目標設定が明確でイキイキと働き、人に恵まれ、キャリアやスキルを磨き、責任あるポストにつき収入を増やし、預貯金もしっかりしている方のお金の使い方は、「消費3・投資4・浪費3」の割合が圧倒的に多く、130名中78名がこれにあてはまりました。

 しかし、上記のビジネスパーソンのような収入、預貯金がない方は、「投資4」を実現するのは難しい部分もあるでしょう。原資がないのに無理な借金をして投資をするのもリスクが高いでしょう。大切なのは、仕事もプライベートも無理なく謳歌できるお金の使い方、自分に合った「ゴールデン・バランス」を考えてみることです。

 私の場合、「ゴールデン・バランス」は「消費3・投資4・浪費3」です。私の経験則では、この割合を意識すると、支払ったお金が社会に役立ち、やがて自分にもメリットとなって返ってくる「正真正銘の生き金」になっています。


 次回は、「お金が貯まらない人」に共通する習慣について解説します。習慣を変えれば、確実にお金が貯まる人になります。


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