今話題のファシリテーション手法で「人生100年時代の生き方」を考える

カフェ形式の会話で自分のビジョンが明確に

大川恒(株式会社HRT代表)

あなたが「人生100年時代をどう生きるか?」のワールド・カフェを主催するときの問い

Q.これまでと「全く違う」人生にスイッチできるなら、どんな人生にしたいですか?
Q.あなたは何のために100年どこに向かって生きるのか?
Q.100年人生の中でずっと大切にしたいことは何ですか?
Q.あたらしい事をするなら、何にチャレンジしますか?
Q.人生100年時代の幸せって何?
Q.100年のうちの「今」に一生懸命になるには?
Q.もし、イチから人生をやり直せるとしたら、何を変えたいですか?変えたくないですか?

 以下は、最後に参加者が発表した感想だが、十人十色なのが面白い。

◆長い人生は、「今」の連続であり、「今」を一生懸命に生きることに意味があると考えればよいのでは。ゆっくりと「今」を生きていけばよいと考えると、気持ちが楽になる。生き急がなくてもかまわない。「複業」や「寄り道」をしてもかまわない。

◆綿密にスケジュールをつくって60歳すぎにスイッチできる人ばかりではない。今あるつながりを大事にして「わらしべ長者」のように、宝を探していく場合もある。

◆会社のビジョンを知り、共感しても、自分の日常に目を移すと、例えば、私の場合、「バグ取りの毎日」のような現実が待っている。結婚、出産の先にどうすればよいのかという展望をもちにくい。会社など、ひとつのコミュニティの中で袋小路のような状況にあると、その中での評価が固定する。外のコミュニティに触れていれば、多様な評価がなされる。

◆終身雇用でひとつの企業に身をささげる時代の終焉。連続的に仕事を頑張り続けなければ昇進できない(年功序列)的な企業ばかりではなくなりつつある。この環境変化の中では、例えば、仕事→産休→復帰→(転職)→役員や社長、というようなキャリアが出現しつつある。特に女性の中に、ある種の「ジャンプ」を実現する人が登場していることが多い。

◆人生100年なら、これまでの期間は準備期間だったともいえる。定年後に再スタートできる。人間力を上げての再スタートだから、ゼロからじゃない。だからリスクをとって生きるようなチャレンジも可能だ!これまでは、家族を養うために安全に生きることを余儀なくされたが、子供も独立すれば、自由にできることが増えてくる。動き続ける限り老後はない。動き続けることで、さらなる出会いとつながりが広がり、自分の可能性を伸ばし続けることができる。

 以上が、イベントの内容だが、ワールド・カフェによる会話によって、徐々に自分の考えやビジョンが明確になっていくのが面白い(ただし、正解を見つける作業ではない点に注意)。

 最後に、企業による「ワールド・カフェ」の研修利用についても、簡単に触れておこう。

次のページ:企業で、職場で、広く活用されているワールド・カフェ

関連著者・監修者

大川 恒(おおかわ こう)

組織変革コンサルタント。(株)HRT代表取締役。
ワールド・カフェ・コミュニティ・ジャパン(WCJ)代表。
日経ビジネススクール講師。『ワールド・カフェの事前準備とファシリテーション術』
1961年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。シカゴ大学経営大学院でMBAを取得。ホールシステムアプローチ(ワールド・カフェ、OST、AI、フューチャーサーチ)などのファシリテーターの養成講座を開催している。農商工連携、日本力発見、健康づくり、地域包括ケアなどをテーマに〈講演+ワールドカフェ〉を開催している。また、セミナー、ワークショップを組み込んだ以下のような共創型コンサルティングを展開している。
◇ダイアログ、ホールシステム・アプローチ(ワールド・カフェ、AI、OST、フューチャーサーチ)を使った組織開発コンサルティング
◇学習する組織構築のための組織変革コンサルティング
著書に『ホールシステム・アプローチ』『俊敏な組織をつくる10のステップ』などがある。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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